在宅患者訪問薬剤管理指導料は、通院が難しく在宅で療養を行っている患者さんに対して、薬剤師が医師の指示に基づき患者さんの自宅を訪問し、薬学管理や服薬指導等を行った際に算定できる薬学管理料です。
ここでは、在宅患者訪問薬剤管理指導料について算定要件をまとめました。
本記事でわかること
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定要件は?
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料の対象患者の要件は?
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料の単一建物診療患者の考え方は?
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料の計画書と薬歴に記載すべき内容は?
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料と同時算定できるもの・できないものは?
- 在宅患者オンライン薬剤管理指導料とは?
- 在宅協力薬局とは?
在宅患者訪問薬剤管理指導料の概要
「在宅患者訪問薬剤管理指導料」は、通院が難しく在宅で療養を行っている患者さんに対して、薬剤師が医師の指示に基づき患者さんの自宅を訪問して服薬指導等を行った場合に算定できる薬学管理料です。
在宅患者訪問薬剤管理指導料には3区分あり、単一建物診療患者の人数によって点数が異なります。
また、在宅で療養を行っている患者さんに対してオンラインで服薬指導を行った場合は「在宅患者オンライン薬剤管理指導料」を算定できます。
>>在宅患者オンライン薬剤管理指導料についてみる
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、特別調剤基本料Bを算定する薬局では算定できません。
なお、在宅患者訪問薬剤管理指導料は医療保険に分類されます。
介護保険の認定を受けている患者さんの場合は、介護保険が優先されるため「在宅患者訪問薬剤管理指導料(医療保険)」でなく「居宅療養管理指導費(介護保険)」を算定することになるので注意が必要です。
「在宅患者訪問薬剤管理指導料」等の在宅に関わる指導料・指導費の算定は、地域支援体制加算を取得するための要件の一つにもなっています。
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在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定要件
在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定要件は以下のようになっています。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 1 単一建物診療患者が1人の場合 650点
- 2 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 320点
- 3 1及び2以外の場合 290点
- 在宅患者オンライン薬剤管理指導料 59点
算定可能な加算
- 麻薬管理指導加算 100点(オンラインの場合は 22点)
- 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算 250点
- 乳幼児加算 100点(オンラインの場合は 12点)
- 小児特定加算 450点(オンラインの場合は 350点)
- 在宅中心静脈栄養法加算 150点
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料
注1 あらかじめ在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、医師の指示に基づき、保険薬剤師が薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬学的管理及び指導を行った場合に、単一建物診療患者(当該患者が居住する建物に居住する者のうち、当該保険薬局が訪問薬剤管理指導を実施しているものをいう。)の人数に従い、患者1人につき月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り算定する。この場合において、1から3までを合わせて保険薬剤師1人につき週40回に限り算定できる。ただし、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。
注2 在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、情報通信機器を用いた薬学的管理及び指導(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、注1の規定にかかわらず、在宅患者オンライン薬剤管理指導料として、患者1人につき、1から3までと合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り59点を算定する。また、保険薬剤師1人につき、1から3までと合わせて週40回に限り算定できる。ただし、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。
注3 麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、麻薬管理指導加算として、1回につき100点(注2本文に規定する在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき22点)を所定点数に加算する。
注4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、副作用の有無等について患者又はその家族等に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合(注2に規定する場合を除く。)は、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算として、1回につき250点を所定点数に加算する。この場合において、注3に規定する加算は算定できない。
注5 在宅で療養を行っている6歳未満の乳幼児であって、通院が困難なものに対して、患家を訪問して、直接患者又はその家族等に対して薬学的管理及び指導を行った場合は、乳幼児加算として、1回につき100点(注2本文に規定する在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき12点)を所定点数に加算する。
注6 児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である患者又はその家族等に対して、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、小児特定加算として、1回につき450点(注2本文に規定する在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき350点)を所定点数に加算する。この場合において、注5に規定する加算は算定できない。
注7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合(注2に規定する場合を除く。)は、在宅中心静脈栄養法加算として、1回につき150点を所定点数に加算する。
注8 保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が16キロメ-トルを超えた場合にあっては、特殊の事情があった場合を除き算定できない。
注9 在宅患者訪問薬剤管理指導に要した交通費は、患家の負担とする。
(出典:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 厚生労働省告示第57号 別表第三調剤報酬点数表|厚生労働省)
届出
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定するには、あらかじめ届出が必要です。
「在宅患者訪問薬剤管理指導に係る届出書」の様式に従い、保険薬局の名称、所在地、開設者の氏名及び在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を記載し、地方厚生(支)局長に届け出を行います。
>>在宅患者訪問薬剤管理指導の届出(関東信越厚生局)
算定対象患者
在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定対象となるのは、「在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なもの」です。
「在宅での療養を行っている患者」とは、「保険医療機関または介護老人保健施設で療養を行っている患者以外の患者」をいいます。
以下に挙げる患者さんに対しては、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できません。
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できない患者
- 継続的な訪問薬剤管理指導の必要のない患者
- 通院が可能な患者
- 医師若しくは薬剤師の配置が義務付けられている病院、診療所、施設等に入院若しくは入所している患者
- 他の医療機関もしくは薬局の薬剤師が訪問薬剤管理指導を行っている患者
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、定期的に訪問して訪問薬剤管理指導を行った場合の評価であるため、継続的な訪問の必要のない患者さんや自力での通院が可能な患者さんに対して安易に算定してはいけません。
例えば、家族または介助者の助けを借りずに独歩で来局できる患者さんの場合は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できません。
また、医師や薬剤師の配置が義務付けられている医療機関や施設等に入院・入所している患者さんも在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できません。
医師や薬剤師の配置が義務付けられている医療機関・施設には、「病院」「診療所」「介護医療院」「養護老人ホーム」「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」などが該当します。
ただし、特別養護老人ホーム(特養)に入所している患者さんについては、末期の悪性腫瘍の患者さんに限り、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できます。
(出典:「要介護被保険者等である患者について療養に要する費用の額を算定できる場合」(平成20年厚生労働省告示第128号)、「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」(平成18年3月31日保医発第0331002 号))
他にも、他の医療機関または薬局の薬剤師が訪問を行っている場合は在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できません。
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(1) 在宅患者訪問薬剤管理指導料は、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、あらかじめ名称、所在地、開設者の氏名及び在宅患者訪問薬剤管理指導(以下「訪問薬剤管理指導」という。)を行う旨を地方厚生(支)局長に届け出た保険薬局の保険薬剤師が、医師の指示に基づき、薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況、薬剤保管状況及び残薬の有無の確認等の薬学的管理指導を行い、当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行った場合に、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3まで及び在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り算定する。
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、定期的に訪問して訪問薬剤管理指導を行った場合の評価であり、継続的な訪問薬剤管理指導の必要のない者や通院が可能な者に対して安易に算定してはならない。例えば、少なくとも独歩で家族又は介助者等の助けを借りずに来局ができる者等は、来局が容易であると考えられるため、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できない。なお、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。また、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。
(3) 「在宅での療養を行っている患者」とは、保険医療機関又は介護老人保健施設で療養を行っている患者以外の患者をいう。ただし、「要介護被保険者等である患者について療養に要する費用の額を算定できる場合」(平成20年厚生労働省告示第128号)、「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」(平成18年3月31日保医発第0331002 号)等に規定する場合を除き、患者が医師若しくは薬剤師の配置が義務付けられている病院、診療所、施設等に入院若しくは入所している場合又は現に他の保険医療機関若しくは保険薬局の保険薬剤師が訪問薬剤管理指導を行っている場合には、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できない。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
薬学的管理指導計画
「薬学的管理指導計画」は、処方医から提供された診療状況を示す文書等に基づき(または必要に応じ、処方医と相談)、他の医療関係職種との間で情報を共有しながら、患者の心身の特性及び処方薬剤を踏まえ策定されるものをいいます。
薬学的管理指導計画には、薬剤の管理方法、薬剤特性(薬物動態、副作用、相互作用等)を確認した上で、以下の内容を記載します。
- 実施すべき指導内容
- 患家への訪問回数・訪問間隔
- 在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医
作成した計画書は、医師や他の関係職種に共有しておきます。
なお、「在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医」の記載については以下の疑義解釈がでています。
疑義解釈
「在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること」とあるが、担当医への確認は、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った後に行ってもよいか。
よい。なお、この場合においては、薬学的管理指導の実施後に担当医への情報提供を行う際に確認を行うこと。
(出典:疑義解釈資料の送付について(その1)令和4年3月31日事務連絡)
また、薬学的管理指導計画の作成タイミング等についてです。
- 計画書は、原則、患家を訪問する前に策定
- 作成した計画書は、薬歴等に添付する等して保存
- 計画書は適宜見直しを行う(月1回以上)
薬学的管理指導計画は、原則、訪問前に策定し、訪問後には新たに得られた患者さんの情報等を踏まえ適宜見直しを行うようにします。
薬学的管理指導計画の見直し
- 訪問後、必要に応じ新たに得られた患者さんの情報を踏まえ計画の見直しを行う
- 少なくとも1月に1回は見直しを行う
- 処方薬剤の変更があった場合、適宜見直しを行う
- 他職種から情報提供を受けた場合、適宜見直しを行う
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(1) …(略)…なお、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。また、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。
(5) 薬学的管理指導計画
- ア 「薬学的管理指導計画」は、処方医から提供された診療状況を示す文書等に基づき、又は必要に応じ、処方医と相談するとともに、他の医療関係職種(歯科訪問診療を実施している保険医療機関の保険医である歯科医師等及び訪問看護ステーションの看護師等)との間で情報を共有しながら、患者の心身の特性及び処方薬剤を踏まえ策定されるものであり、薬剤の管理方法、薬剤特性(薬物動態、副作用、相互作用等)を確認した上、実施すべき指導の内容、患家への訪問回数、訪問間隔等を記載する。
- イ 策定した薬学的管理指導計画書は、薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存する。
- ウ 薬学的管理指導計画は、原則として、患家を訪問する前に策定する。
- エ 訪問後、必要に応じ新たに得られた患者の情報を踏まえ計画の見直しを行う。
- オ 薬学的管理指導計画は少なくとも1月に1回は見直しを行うほか、処方薬剤の変更があった場合及び他職種から情報提供を受けた場合にも適宜見直しを行う。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
薬歴の記載
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定するには、通常の薬歴の記載事項に加えて次の事項を薬歴に記載する必要があります。
- 訪問の実施日、訪問した保険薬剤師の氏名
- 処方医から提供された情報の要点
- 訪問に際して実施した薬学的管理指導の内容
- 薬剤の保管状況
- 服薬状況
- 残薬の状況
- 投薬後の併用薬剤・併診
- 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)
- 重複服用、相互作用等に関する確認
- 実施した服薬支援措置等
- 処方医に提供した情報の要点
- 処方医以外の医療関係職種から提供された情報の要点
- 処方医以外の医療関係職種に提供した情報の要点
- 在宅協力薬局が訪問指導を行った場合は、在宅協力薬局と共有した薬歴の内容
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(10) 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定するためには、薬剤服用歴等に薬学管理料の通則(4)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。
- ア 訪問の実施日、訪問した保険薬剤師の氏名
- イ 処方医から提供された情報の要点
- ウ 訪問に際して実施した薬学的管理指導の内容(薬剤の保管状況、服薬状況、残薬の状況、投薬後の併用薬剤、投薬後の併診、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)、重複服用、相互作用等に関する確認、実施した服薬支援措置等)
- エ 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点
- オ 処方医以外の医療関係職種との間で情報を共有している場合にあっては、当該医療関係職種から提供された情報の要点及び当該医療関係職種に提供した訪問結果に関する情報の要点
- カ 在宅協力薬局の保険薬剤師が訪問薬剤管理指導を行った場合には、(4)のイで規定する事項
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
訪問指導の実施と情報提供
訪問薬剤管理指導は、当該保険薬局の調剤した薬剤の服用期間内に、患者の同意を得て実施します。
調剤を行っていない月に訪問薬剤管理指導を実施した場合は、調剤年月日及び投薬日数を調剤報酬明細書の摘要欄に記入します。
患家を訪問し、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況、薬剤保管状況及び残薬の有無の確認等の薬学的管理指導を行ったあとは、当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行います。
在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより訪問指導を行った場合は、訪問指示を行った当該保険医に加え主治医(在宅療養担当医)にも情報提供を文書で行います。
また、必要に応じて処方医以外の医療関係職種に対しても情報提供を行います。
オンラインで指導を行った場合(在宅患者オンライン薬剤管理指導料)についても、訪問診療を行った医師に対して指導の結果について文書で情報提供を行う必要があります。
>>在宅患者オンライン薬剤管理指導料についてみる
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(1) 在宅患者訪問薬剤管理指導料は、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、あらかじめ名称、所在地、開設者の氏名及び在宅患者訪問薬剤管理指導(以下「訪問薬剤管理指導」という。)を行う旨を地方厚生(支)局長に届け出た保険薬局の保険薬剤師が、医師の指示に基づき、薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況、薬剤保管状況及び残薬の有無の確認等の薬学的管理指導を行い、当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行った場合に、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3まで及び在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り算定する。
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、定期的に訪問して訪問薬剤管理指導を行った場合の評価であり、継続的な訪問薬剤管理指導の必要のない者や通院が可能な者に対して安易に算定してはならない。例えば、少なくとも独歩で家族又は介助者等の助けを借りずに来局ができる者等は、来局が容易であると考えられるため、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できない。なお、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。また、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。
(6) 必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、訪問薬剤管理指導の結果及び当該医療関係職種による当該患者に対する療養上の指導に関する留意点について情報提供する。
(7) 訪問薬剤管理指導は、当該保険薬局の調剤した薬剤の服用期間内に、患者の同意を得て実施する。なお、調剤を行っていない月に訪問薬剤管理指導を実施した場合は、当該調剤年月日及び投薬日数を調剤報酬明細書の摘要欄に記入する。
2 在宅患者オンライン薬剤管理指導料
(5) 訪問診療を行った医師に対して、在宅患者オンライン薬剤管理指導の結果について必要な情報提供を文書で行うこと。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
算定回数の上限
在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者オンライン薬剤管理指導料の算定回数の上限は以下のようになっています。
- 月4回まで算定可能
ただし、下記の場合は週2回かつ月8回まで算定可能
- 末期の悪性腫瘍の患者
- 注射による麻薬の投与が必要な患者
- 中心静脈栄養法の対象患者
- 算定する日の間隔は6日以上あける(末期の悪性腫瘍の患者等を除く)
- 保険薬剤師1人につき在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて週40回に限り算定
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(1) 在宅患者訪問薬剤管理指導料は、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、あらかじめ名称、所在地、開設者の氏名及び在宅患者訪問薬剤管理指導(以下「訪問薬剤管理指導」という。)を行う旨を地方厚生(支)局長に届け出た保険薬局の保険薬剤師が、医師の指示に基づき、薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況、薬剤保管状況及び残薬の有無の確認等の薬学的管理指導を行い、当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行った場合に、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3まで及び在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り算定する。
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、定期的に訪問して訪問薬剤管理指導を行った場合の評価であり、継続的な訪問薬剤管理指導の必要のない者や通院が可能な者に対して安易に算定してはならない。例えば、少なくとも独歩で家族又は介助者等の助けを借りずに来局ができる者等は、来局が容易であると考えられるため、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できない。なお、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。また、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。
(8) 在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月2回以上算定する場合(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者に対するものを除く。)は、算定する日の間隔は6日以上とする。末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者については、在宅患者オンライン薬剤管理指導料と合わせて週2回かつ月8回に限り算定できる。
(9) 保険薬剤師1人につき在宅患者訪問薬剤管理指導料1、2及び3並びに在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて週40回に限り算定できる。
2 在宅患者オンライン薬剤管理指導料
(1) 在宅患者オンライン薬剤管理指導料は、訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局において、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、情報通信機器を用いた薬剤管理指導(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、在宅患者訪問薬剤管理指導料1、2及び3並びに在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り算定する。
(2) 当該指導料は、保険薬剤師1人につき、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて週40回に限り算定できる。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
在宅患者オンライン薬剤管理指導料
在宅で療養を行っている患者さんに対してオンラインで服薬指導等を行った場合は、「在宅患者オンライン薬剤管理指導料」を算定できます。
在宅患者オンライン薬剤管理指導料の算定要件
- 在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、オンラインで薬剤管理指導を行った場合に算定(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く)
- 算定回数の上限等については在宅患者訪問薬剤管理指導料と同様(>>算定回数の上限)
- 在宅患者オンライン薬剤管理指導により、服薬管理指導料に係る業務を実施する
- 医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知に沿って実施する
- 在宅患者オンライン薬剤管理指導の結果について、訪問診療を行った医師に対して必要な情報提供を文書で行う
- 原則、手帳により薬剤服用歴等及び服用中の医薬品等について確認し、患者が服用中の医薬品等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう必要な情報を手帳に添付又は記載する
- 薬剤を患家に配送する場合は、その受領の確認を行う
- 当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収可
- 特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
2 在宅患者オンライン薬剤管理指導料
(1) 在宅患者オンライン薬剤管理指導料は、訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局において、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、情報通信機器を用いた薬剤管理指導(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、在宅患者訪問薬剤管理指導料1、2及び3並びに在宅患者オンライン薬剤管理指導料を合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り算定する。
(2) 当該指導料は、保険薬剤師1人につき、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて週40回に限り算定できる。
(3) 在宅患者オンライン薬剤管理指導により、服薬管理指導料に係る業務を実施すること。
(4) 医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知に沿って実施すること。
(5) 訪問診療を行った医師に対して、在宅患者オンライン薬剤管理指導の結果について必要な情報提供を文書で行うこと。
(6) 患者の薬剤服用歴等を経時的に把握するため、原則として、手帳により薬剤服用歴等及び服用中の医薬品等について確認すること。また、患者が服用中の医薬品等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう必要な情報を手帳に添付又は記載すること。
(7) 薬剤を患家に配送する場合は、その受領の確認を行うこと。
(8) 当該服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる。
(9) 在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者オンライン薬剤管理指導料を月2回以上算定する場合(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者に対するものを除く。)は、算定する日の間隔は6日以上とする。末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者については、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて週2回かつ月8回に限り算定できる。
(10) 在宅患者オンライン薬剤管理指導料は、特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定時の注意点
単一建物診療患者の考え方
「単一建物診療患者の人数」とは、当該患者が居住する建築物に居住する者のうち、当該保険薬局が訪問薬剤管理指導料を算定する者の人数をいいます。
このとき、
- 介護保険(居宅療養管理指導費等)で算定する人数は含まない
- 建物に居住する人数ではなく、自薬局が訪問薬剤管理指導料を算定する人数
- グループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)においては、ユニットごとの人数
であることに注意が必要です。
「単一建物診療患者の人数」では、その患者さんが居住する建物に住んでいる者のうち、医療保険(在宅患者訪問薬剤管理指導料)を自薬局で算定する人数をカウントします。
介護保険(居宅療養管理指導費)も単一建物の居住者数によって単位数が異なりますが、医療保険と介護保険は別でカウントします。
また、グループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)とは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら介護や支援を受ける介護保険サービスのことをいいます。
ユニット数が3以下のグループホームについては、同じ建物内であっても1つのユニットを1つの建物とし、それぞれのユニットにおいて在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する人数を単一建物診療患者の人数とみなします。
さらに、「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する特例として以下が挙げられます。
「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する特例
- 1つの患家に対象となる同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合
- 当該建築物において自薬局の算定対象者数が、当該建築物の戸数の10%以下の場合
- 当該建築物の戸数が20戸未満であって、自薬局の算定対象者数が2人以下の場合
1つの患家に在宅患者訪問薬剤管理指導料の対象となる同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合は、患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定します。
例えば、夫婦2人暮らしの患者さんでどちらも在宅患者訪問薬剤管理指導料の対象の場合、2人それぞれに「単一建物診療患者が1人の場合(650点)」を算定します。
また、1つの建物で自薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する患者さんの数が戸数の10%以下、あるいは20戸未満の建物では2人以下の場合、「単一建物診療患者が1人の場合」を算定します。
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(2) 在宅患者訪問薬剤管理指導料は、単一建物診療患者の人数に従い算定する。ここでいう「単一建物診療患者の人数」とは、当該患者が居住する建築物に居住する者のうち、当該保険薬局が訪問薬剤管理指導料を算定する者の人数をいう。なお、ユニット数が3以下の認知症対応型共同生活介護事業所については、それぞれのユニットにおいて、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する人数を、単一建物診療患者の人数とみなすことができる。
(12) 1つの患家に当該指導料の対象となる同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合は、患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する。また、当該建築物において、当該保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する者の数が、当該建築物の戸数の10%以下の場合又は当該建築物の戸数が 20 戸未満であって、当該保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する者の数が2人以下の場合には、それぞれ「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
距離要件
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定するには、訪問を行う患者さんの自宅と薬局の距離が16km以内である必要があります。
ただし、患者さんの自宅と薬局の距離が16kmを超えている場合でも、患者さんの自宅を中心として半径16kmの圏域の内側に在宅訪問を行っている薬局が存在しない場合、平成24年(2012年)3月31日以前に医師の指示があり在宅訪問を行っている場合については、在宅訪問薬剤管理指導料を算定可能です。
- 保険薬局(在宅協力薬局を含む)の所在地と患家の所在地との距離が 16キロメートルを超える訪問薬剤管理指導については、特殊な事情がある場合を除き認められない
【特殊な事情】患家の所在地から 16キロメートルの圏域の内側に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を届け出ている保険薬局が存在しないなど
- 特殊な事情もなく、特に患家の希望により 16キロメートルを超えて訪問薬剤管理指導を行った場合の在宅患者訪問薬剤管理指導料は保険診療としては認められないため、患者負担とする
- 「保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が 16キロメートルを超えた場合」とは、患家を中心とする半径16キロメートルの圏域の外側に当該保険薬局が所在する場合をいう
- ただし、平成24年(2012年)3月31日以前から医師の指示により訪問を行っている患者については、当該規定は適用しない
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
8 その他留意点
(1) 保険薬局(在宅協力薬局を含む。)の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超える訪問薬剤管理指導については、患家の所在地から 16 キロメートルの圏域の内側に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を届け出ている保険薬局が存在しないなど、当該保険薬局からの訪問薬剤管理指導を必要とする特殊な事情がある場合に認められるものであって、この場合の在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定については 16 キロメートル以内の場合と同様に算定する。特殊な事情もなく、特に患家の希望により 16キロメートルを超えて訪問薬剤管理指導を行った場合の在宅患者訪問薬剤管理指導料は保険診療としては認められないことから、患者負担とする。この場合において、「保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超えた場合」とは、患家を中心とする半径16キロメートルの圏域の外側に当該保険薬局が所在する場合をいう。
ただし、平成24年3月31日以前に「注1」に規定する医師の指示があった患者については、当該規定は適用しないものであること。
(2) 「注9」に規定する交通費は実費とする。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
在宅協力薬局
「在宅協力薬局」とは、訪問薬剤管理指導を主に行っている保険薬局(在宅基幹薬局)が連携する他の保険薬局のことをいいます。
緊急その他やむを得ない事由がある場合に、在宅基幹薬局の薬剤師に代わって訪問薬剤管理指導を行うことができます。
その際、以下の要件を満たす必要があります。
- 薬学的管理指導計画の内容を共有していること
- あらかじめ当該患者またはその家族等の同意を得ていること
在宅基幹薬局に代わって在宅協力薬局が訪問薬剤管理指導を行ったときには、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できます。
在宅協力薬局の保険薬剤師が在宅基幹薬局の保険薬剤師に代わって訪問薬剤管理指導を行った場合、薬歴の記載は在宅協力薬局が、医師または歯科医師への報告は在宅基幹薬局が行います。
- 在宅協力薬局:薬歴を記載し、在宅基幹薬局と当該記録の内容を共有する
- 在宅基幹薬局:訪問薬剤管理指導の指示を行った医師または歯科医師に訪問結果についての報告を行う
算定については、調剤技術料及び薬剤料等は在宅協力薬局が、在宅患者訪問薬剤管理指導料は在宅基幹薬局が算定を行います。
調剤報酬明細書には、当該訪問薬剤管理指導を行った在宅協力薬局名と当該訪問薬剤管理指導を行った日付を記載し、摘要欄には在宅協力薬局が処方箋を受け付けた旨を記載します。
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区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料(抜粋)
1 在宅患者訪問薬剤管理指導料
(4) 在宅協力薬局
- ア (3)にかかわらず、訪問薬剤管理指導を主に行っている保険薬局(以下「在宅基幹薬局」という。)が、連携する他の保険薬局(以下「在宅協力薬局」という。)と薬学的管理指導計画の内容を共有していること及び緊急その他やむを得ない事由がある場合には、在宅基幹薬局の保険薬剤師に代わって当該患者又はその家族等に訪問薬剤管理指導を行うことについて、あらかじめ当該患者又はその家族等の同意を得ている場合であって、在宅基幹薬局に代わって在宅協力薬局が訪問薬剤管理指導を行ったときには、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できる。ただし、訪問薬剤管理指導に係る費用については、在宅基幹薬局と在宅協力薬局の合議とする。
- イ 在宅協力薬局の保険薬剤師が在宅基幹薬局の保険薬剤師に代わって訪問薬剤管理指導を行った場合には、薬剤服用歴等を記載し、在宅基幹薬局と当該記録の内容を共有することとするが、訪問薬剤管理指導の指示を行った医師又は歯科医師に対する訪問結果についての報告等は在宅基幹薬局が行う。なお、調剤報酬明細書に当該訪問薬剤管理指導を行った在宅協力薬局名及び当該訪問薬剤管理指導を行った日付を記載する。また、在宅協力薬局が処方箋を受け付け、調剤を行った在宅協力薬局が訪問薬剤管理指導を行った場合には、算定については、調剤技術料及び薬剤料等は在宅協力薬局、また、在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定は在宅基幹薬局が行うこととし、調剤報酬明細書の摘要欄には在宅協力薬局が処方箋を受け付けた旨を記載する。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
在宅患者訪問薬剤管理指導料と同時算定できるもの・できないもの
在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定する場合における他の薬学管理料の算定の可否は以下のようになっています。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 |厚生労働省)
在宅患者オンライン薬剤管理指導料の算定にあたっては、麻薬管理指導加算、乳幼児加算、小児特定加算は外来における点数を算定します。
以下の薬学管理料については在宅患者訪問薬剤管理指導料と同時算定できません。
また、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定したのと同じ月に以下の薬学管理料は算定できません。
ただし、外来服薬支援料1以外の薬学管理料は、薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病または負傷に係る臨時の処方箋によって調剤を行った場合は同一月内でも算定可能です。
参考資料